2022年1月4日。
今年初というか最初で最後になるのか、ビシアジ釣りに行ってきました。
釣り場:猿島沖→大津沖
天気:晴れ
釣行時間:7時30分(潮位:160cmほぼ満潮)〜13時00分くらい(潮位:110cmほぼ干潮)大潮
釣果:マアジ33匹(18〜26cm)
ロッド:アブガルシア-タコスフィールド TKFC-692MH-BS
リール:アブガルシア-オーシャンフィールドBG
ライン:PE4号
ハリス:3号〜1.5号
ハリ:ムツ9号
エサ:アカタン時々アオイソメ
アンドンビシ130号の天秤仕掛け
釣り狂いのオッサン2号にすっぽかされたシロギス釣りの代わりに、ビシアジ釣りに行ってきました。
同行メンバーはハゼ釣りでおなじみのH2氏。
以前から事あるごとに「アジ釣り行こうよ!」と誘われていたんだけど、イマイチ乗る気じゃなかったオッサンは有耶無耶な返事ではぐらかしていた。
アジはアジ=味といういくらいに美味しい魚だ。
料理のレパートリーも幅広いし、捌くのもたいした手間でもない。
オッサンが乗り気じゃなかったのは、釣りモノとしてどうよ?と思っていたから。
アジの釣り方はいろいろあるけど、今回はビシを使った沖釣りの話として聞いてください。
ビシと呼ばれる籠にコマセを突っ込み、エサは基本的にアカタンと呼ばれるイカを赤く染めた物体を釣針にチョンと付ける。
スルスルと下に落として指示ダナでアタリを待つ。
アタリがあったらリールを巻いてアジを回収し、再投入。
以後、リピート…
こう書くと「コイツ分かってねぇなぁ〜」と批判する気持ちは分かります。
オッサンはアジ釣り素人なので、このような愛のない表現になる。
オッサンがイメージしているビシアジ釣りは上っ面だけ程度なもので、この作業の中にはズブの素人には理解できない、さまざまなテクニックが内在しているのは分かります。
しかし批判覚悟で書きます。
コレって釣りじゃなくて作業じゃね!?
実際のビシアジ釣りは全然違うんだけど、な〜んも知らないオッサンはこのイメージが強かったのでず〜っと及び腰だったのでした。
2022年のお正月、やることと言えば妻の実家への挨拶と近所のお寺へ初詣へ行く程度の予定しかない。
例のウィルス騒ぎが再燃焼してきたもんだから、オッサン方への挨拶は自粛。
そうでなくとも、正月はいつものようにヒマだ。
だもんで、H2氏の倍々プッシュもあって、ついにビシアジ釣りに行くハメになってしまった。
とにかく行くと決まったので、アジ釣りの準備をしなくてはならない。
オッサンは、ビシアジ釣りは全くやったことがない訳でもない。
シロギスとかアナゴとかのリレー船で”ついでに”というノリでやったことはあった。
しかもその時はライトアジ釣りだったので、今回のようにアジ一本に絞ったフルスペックなビシアジ釣りは初めてだ。
仕掛けパーツは以前のアジ釣りで作った時の余りものがあったんだけど、ハリスが心もとない。
ひとつだけ残っていた市販のアジ釣り仕掛けのハリスの太さは3号なんだけど、オッサンの手持ちに3号のラインは無い。
残念ながら、年の瀬&新年でなけなしのお小遣いが吹っ飛んだので、アジごときで新しくラインを購入する金なんぞは皆無だ。
とにかく手持ちで誤魔化すしかないのである。
ゴソゴソとオッサンの釣りアイテムを物色していると、ハゼ釣りの中通し竿に使うナイロン2号と、いつもハゼの穴釣りとかシロギス釣りで使っているフロロ1.5号が出てきた。
市販品が3号使っているのは、良型がダブルとかで掛かったり、アジ以外の思わぬ大物にも耐えられるようにだと思れる。
アジ単体なら3号じゃなくても耐えられるよね…?
しかし、今回のポイントは横須賀の走水あたりだろうから潮が早いし、大アジの可能性が高い。ラインブレイク必至だぞ!
いやしかし、わざわざ太いライン買うのかよ!3号なんて他には使わんぞ!
いやしかし…
少々葛藤するが、アジだけなら2号や1.5号で大丈夫だろうて、否、大丈夫であってくれ〜と願いながら手持ちのラインでハリスを手作りするオッサンなのでした。
そして一番心配な問題がある。
オッサンは130号とか150号のビシアジ釣り用のタックルを持っていない。
「んなもんレンタルすりゃ〜いいじゃん」なんだけど、皆そう思ってると思うけど、レンタルってなんか嫌じゃん!?
他の誰が使ったのやも知れんタックルを握りしめるというのも…
ましてやこのご時世、船宿がロッドやリールを濃度70%以上のエタノールでゴシゴシと消毒・除菌しているなんて、まず無いだろうて。
ならば、オッサン2号に電動リールごとビシアジタックル一式を借りようかとも思ったんだけど、万が一、壊したり海に奉納しないとも限らん。
なので、オッサンが持っているアイテムでなんとかしなければならない。
オッサンの手持ちであの重量のビシを背負えるのはタコ釣りロッドくらいしかない。
約3kgのタコをガリガリと力づくで上げた実績があるから、パワー的には全く問題ないだろうて。
ただ穂先がガサツなので、アジのアタリが分かるのか?という疑問は残る。
そして一番の懸念はリールである。
当然ながら、オッサンは電動リールというラグジュアリー&ファッショナブルなアイテムなんぞを持っているはずもない。
ちょっと深場になると電動リール当たり前のこのご時世。
釣り番組などでは、魚を掛けたらウィ〜ン!と電気的リールで巻き上げる光景が普通にみられる。
それを見せつけられるたびに「ケっ!メーカーに踊らされてるんじゃねぇ〜よ!」と他人事だったんだけど、いざ自分の身に降り掛かってくると電気の力に頼りたくなる。
んがしかし、もうそんな絵空事言ってられん状況なので、コレまたオッサンの手巻きのタコ釣りリールで誤魔化すことにした。
たかが50mやそこらで電動を使うなんぞ軟弱だね!
男は手巻きじゃ〜!!
しかし、このノリが後ほど激痛なしっぺ返しを喰らうとは、思いもよらなかったのでした。
いや…、やっぱりある程度は予想していたけどサッ!
当日はH2氏がオッサンちまで迎えに来てくれた。
朝5時でまだ暗い時間帯。
オッサンの勝手な持論だが、車の運転と金の使い方はその人間の素が出ると思っている。
平静はハンカチにキーピングをつけてアイロン掛けするようなメルヒャンな乙女男子でも、いざ車の運転となると、車間距離ゼロで幅寄せ当たり前、前の車を突き回すようなドライビングだとしたら、そ〜いう人間だということです。
さて、いつもはノンビリと釣り糸を垂れ、毎回欠かさずオッサンにおにぎりを恵んでくれるH2氏の本性は如何に?
ジギルとハイドか!?と楽しみにしていたんだけど、実際はスピードも出さない安全運転だった。
表裏のない温厚な人だったんだな〜っと妙な納得をするが、時おりフラ〜っとセンターラインを踏んだりするのは年齢故か!?
少々危なっかしいので「無事に帰って来れるかな?っていうか、釣り場に着くのかな?」と不安になる。
意外に早く横須賀の街に到着。
途中トイレ休憩で米軍ベース近くのコンビニに寄ったんだけど、ちょうど出勤時間帯だったからか、店内は外人で溢れていて日本の光景ではなかった。
しかし、沖縄県のオミクロン問題を思い出し、「やばい!ここに居たら危険!!?」と呼吸を止めて脱出。
まぁ、皆マスクはしていたし大丈夫だろうと思いたいが、ちょっと怖かった。
ほどなく船宿に到着。
本日お世話になるのは新安浦港の『長谷川丸』さん。
H2氏はアジ釣りではいつもお世話になってるそうな。
本日はショートアジで7時20分出船〜13時沖上がりだけど、ポイントは目の前だから時間的には十分だ。
受付時にビシとロッドホルダーを借りた(無料)。
いくらなんでもロッドホルダーが無いとダメっしょ!
オッサンは車に乗り込むときには既にレインスーツだったから、後は靴だけ履き替えて、荷物を船に運ぶだけなので楽ちん楽ちん。
ちなみにオッサンのレインスーツはワークマンの『イージスオーシャン』。
今はどうか知らないが、手に入れた当時は人気商品だったので、購入権利すら抽選だった。
リーズナブルだし温かいし軽いのでとても重宝だが、使用後の洗濯が厄介だ。
防水仕様だから、脱水してもボタボタ水が垂れるし、何日も干しっ放しにしないと乾かない。
※メーカーは洗濯機の使用は推奨してないが、こんなかさばるモノを手作業なんてやってられん!
足元はいつもハゼの穴釣りで使っている防寒長靴で固めた。
ハゼ釣りごときでは少々オーバースペックだが、冬の船釣りでは真価を発揮するありがたい長靴。
オッサンのファッションスペックはこちら↓↓↓って、んなもんど〜でもいいか…
ワークマンの防水防寒スーツ【イージスオーシャン2018】が来た!【追加記事あり】
乗り込む船は『第三長谷川丸』
長谷川丸三番艦。ライトブルーが眩しいぜ!
大型船で広くてとてもキレイだ。
このように手入れやメンテナンスに船宿と船長の心意気があらわれる。
ないすfishing boat
H2氏は左大トモ(一番船尾の席)でオッサンはそのお隣り。
コマセを撒く釣りものなのでH2氏に有利な席順だが、オッサンはどこでやっても釣果は変わらんだろう。
席も確保したので早速釣りの準備をば。
って言ってもほとんど準備することもなくて、ビシとハリスを装着するだけで完了。
レンタルのビシとコマセ。アジ釣りの肝だ
問題のタコ釣りタックル。果たして使えるのか?不安が募る
やることもないのでブレックファースト。
いつものホットスポドリとおにぎり
このご時世だからか、船内は方舷5名ずつで大型船だからかなり余裕のある釣座間隔。
これなら下手っぴのオッサンでもオマツリしそうもないから安心だね!
酔止めのお守り”ミンティア”。酔ったことないけど
定刻通りに出船。
横須賀の街を眺めながら
富士山がキレイに見えるのでお天気は問題ないだろうて。
場所がら米海軍の軍艦も停泊しているが、普通の船舶とは全然違う威圧感がある。
おっかね〜な。魚雷打ってこないだろうな…
軍艦すげぇな〜。
どこかに空母とか原潜いないかな〜?とキョロキョロしていたら、いきなり船のエンジンが静かになった。
ん?10分くらいなのに、もうポイントに着いたらしい。
本当に目の前なんだ!?
完全に停泊していよいよアジ釣り開始。
「45mで底から3mに反応あります。」とのアナウンス。
底まで45mか…
ということは45mもグリグリ巻かなきゃならんのか…
釣りをやる前からブルーなオッサン。
まずはコマセを籠に突っ込みまして…っと準備時間はたっぷりあったにもかかわらず、現場でチンタラやり始める始末のオッサン。
準備完了にて投入するが、思った以上にビシが重くて、これを何十回も上下すると思うとゲンナリする。
一丁前にリールのスプールを指で軽く抑えながら落とす”サミング”をしながらスルスル落とす。
釣れる釣れないはともかく、他の釣り人に迷惑を掛けないようにしよう!との心意気。
着底したので、まずは1m巻き上げてひとシャクリ、また1m巻いてひとシャクリ、もう1m巻いてアタリを待つ。
何のテクニックも知識も思想も無いオッサンとしては、コレしか出来る事がない。
そのポイントに着いてすぐは釣れないらしく、コマセをある程度撒いて魚を寄せるという作業が今の状態。
コマセ撒きは船中みんなで共同作業!
コマセを撒くタナを間違わないようにしながら、みんなでひとつになろう!!
なハズなんだけど、そこここでリールを巻き上げる音がしてくる。
当然ながらオッサン以外は全員が電動を使っているようだ。
ポツンとひとり手巻き…
仲間外れ感を満喫しながらアタリを待ってるんだけど、何の音沙汰もない。
フッ…、いつもコレだ。
船釣りの時は特にオッサンはスロースターターである。
周りは釣れているのにオッサンにはアタリひとつない…
「タナ間違ってんのかな?」
ビシを落とし、タナを再確認するが間違っていないようだ。
な〜んで釣れないのかな?
考えてもしょうがないので、一度回収するが45mの深さが果てしなく感じる。
手巻きでがんばって巻いてるんだけど、重量級の仕掛けが全然近づいてくる気がしない。
やっと水面にビシが見えてくるが「この作業をやり続けるのか…」早くも萎えるオッサン。
とはいえ、ビシをシャクってみた感じだとオッサンのタコ釣りロッドはちょうど良い塩梅で「このロッドはビシアジロッドぢゃね!?」と思わせるほどのベストマッチングだった。
ただ問題はアタリがどう出るのか?だけど、未だアタリは無いのでそれは謎だが、もしかしてアタリが拾えてないのカモ?という不安がよぎる。
再びコマセをつっこんで再投入。
スルスルと落としてシャクリ……なんてオッサンひとりでチンタラやっていたんだけど、周りの釣り人達は既に何匹も釣り上げているご様子なのでアジの反応は良いらしい。
アジ釣りは自信のある釣りもの!と豪語していたH2氏も、周りに負けじと釣り上げている。
H2氏はクィッ!クィッ!っとクイックに二段階にシャクっていて、年齢を感じさせない瞬発力を見せている。
普段はノンビリとハゼ釣りしているが、ことアジ釣りになると全く違った輩に豹変し、素早い動きでアジを仕留めている。
H2氏の場合は車の運転ではなく、アジ釣りで本性をあらわすらしい。
んで、ノンビリやってるオッサンはと言うと、やっと待望のアジのアタリがやってきた。
このタコロッドでも明確に分かるアタリだったが、ここで少々思案する。
「アジを一匹つづ釣るのもどうよ?ただでさえ手巻きなんだからダブルで掛ければ効率よく釣れんぢゃね!?」と実力に似合わない事をたくらみ始める。
ス〜っとロッドを上げて追い食いを狙ってみると、グ〜ン!と一段と重くなった。
「キタ〜!!」嬉々としてグリグリ巻き上げるオッサン。
しかし、上がってきたのはカラのハリスだけなのでした。
アジは口が弱い魚なので急激に巻くと口が切れるが、オッサンの手巻きでは高速で巻くなんて不可能である。
なので、バラした原因は、水面近くまでビシが来た時にオッサンがモタついていたからだと思う。
フゥ〜、こんなもんだよ人生は。
気を取り直して再投入するが、とにかくアタリはハッキリと分かったので、ロッドには問題が無いというのは良かった。良かった。
お隣りで調子よく釣り続けるH2氏に聞くと「タナは2.5mだよ!」らしい。
なるほど!釣りは素直な方が結果が出る。
2.5mにタナをとり直すと、すぐにアタってきて初アジが釣れた。
やっと釣れたよ〜!
ヨシ!これからがオッサンの逆襲じゃ!!
アジ釣りはとにかくタナ取りが命。
50cm違えば釣れない。
タナは2.5mを合言葉に、オッサンも調子良くアタリを出せるようになってきた。
さすがに他の釣り人のようにリズム良くとはいかないけど、手巻きリールを駆使しながらチョロチョロと釣り上げていた。
※余裕が全然無かったので写真を取り忘れてました。申し訳ないです。
サイズ的には20数cm前後と悪くはないし、走水のブランドアジだし、全てじゃないけど黄金アジも少しは混ざる感じ。
ある程度釣れて、心の余裕が出来た時点で少々遊び始める。
オッサンは二本針を使っていたんだけど、下の針にイソメを付けてゲスト狙いをしてみたが、一度だけ何か重い引きが来たんだけどハリスを切られてしまった。
正体は分からないけどアジではなさそうだった。
ハリスもハゼ釣りの中通し用の緑色のナイロン2号はアジの喰いが悪くて、1.5号の透明なフロロはよく釣れたんだけど3回切られたから、大型とか良型×2匹とかになると1.5号は心もとないかな。
市販の仕掛けは3号を使っているのが多いから、オッサンみたいにケチらないで、それくらいの太いラインを使ったほうが無難だと思います。
んで、いつものように悪魔の時間がやってくる。
オッサンは釣りをしているとほぼ確実に全然釣れない時間帯がある。
飽きてくるのか、疲れてくるのか…
たぶんその両方なんだけど、全然釣れない悪魔の時間。
この時間中はトンチンカンな事やっているらしく、釣れる訳ないわな〜
今回の場合は理由はハッキリしていて、単に疲れたから。
そりゃそうだよ!手巻きで50m前後の深さで130号のビシを何十回も上げ下げしてるんだもん。
両腕はもうパンパンだ!
集中しようにもできんわ!!
船中ある程度数も上がっていたので、終盤は型狙いで猿島沖から大津沖に移動。
こちらは大型が期待できるポイント。
予報通り風が強くなってきて、潮の早い流れと相まって釣りづらかった。
しかし、期待していたサイズもイマイチで13時に沖上がり。
やっと終わった…、もう疲れて抜け殻なオッサン。
5時間30分で33匹とがんばったよ俺!
このうち約半分は力尽きていて、ロッドボルダーに竿を固定して釣りしてました。
H2氏は62匹と素晴らしく、船中結果は25匹〜72匹でした。
オッサンがスソじゃなくてホッとしました。
竿頭はオッサンの右隣りの方だろうな。
ず〜っと釣れ続けていたもんな〜
見ていると特に変わったことをしているわけじゃないんだけど、釣れるんですよね〜
きっとオッサンみたいなシロウトには分からないテクニックがいっぱいあるんだろうな。
見る人が見れば分かるんだろうけど、オッサンレベルでは見抜けませんでした。
やはり今回のように釣りをするポイントに近い船宿の方が、臨機応変に細かく修正が効きますね。
ちょっとアタリが遠のくと細かいポイント移動で釣れるところにご案内。
コレは地元じゃないと分からないと思います。
それと電動リールの偉大さを改めて気付かされました。
まだ電気力が普及していない昔ならいざ知らず、テクノロジーが発達した現代では、そのテクの波に乗らないという選択は難しいな…
釣りなんだから釣れた方が楽しいに決まってる。
ホンのちょっとの出資と考え方でソレを手に入れれば、違う景色が見えて来るのかもしれませんね。
根性論では追いつかない使えるテクノロジーの導入は、釣りの世界にもやってきてるんですね。
しかし、新しい技術の導入には先立つものが必要である。
果たしてオッサンにその導入が許されるのだろうか?
否、それ以前にアジ釣りまた行くのか?という問題が無きにしもあらずだ。
アジ釣りを終え、帰りの車中で疲れ切ったオッサン二匹は無口に揺られていた。
ふとH2氏が「釣りの帰りは眠くなるよね〜。この前なんかつい居眠りして前の車にドカンだよ!」
マジか!?
たぶんH2氏も眠らないようにと話始めたんだろうけど、オッサンもH2氏との心中は不本意なので、自宅に到着するまで”眠ると死ぬぞ〜!”の思いで必要以上に話続けた。
無事帰宅したんだけど、オッサンのアジ釣りはまだ終わっていない。
むしろこれからが本番だ。
本日中にアジを捌き、ディナーを作り上げなくてはならないのだ。
明日から仕事なので、釣ってきたアジを本日中にやっつけなくてはならない。
今更だが、昨日アジ釣りに行っていればまだ時間的余裕はあったのだが、何で今日アジ釣ってたんだろ…?
後悔してももう手遅れで、とにかくこれからが勝負だ。
まずは釣ってきた33匹のアジを少しでも削るべく、妻の実家に6匹ほどまるごとおすそ分け。
本来なら半分くらい押し付けたいが、二人家族なのでそうもいかんだろうて。
残りはオッサンが解剖しなければならない。
三枚におろして、火を入れる分は皮は剥がずにそのままで、生系のレシピ分は皮も剥ぐ。
幸いなことにアジは捌きやすいから助かるが、早朝4時から活動開始し、日中は筋トレしまくってもうクタクタだった。
何度も心折れそうになるが、その度に妻の名言「そこまでやって釣りでしょ!」が頭の中でこだまする。
この名言は、釣った魚を自分で捌き、自分で料理し、その食事の後片付けまでやってまでが釣りに含まれるという意味である。
光の速さでアジを捌き、お次は料理じゃ!
○アジフライ
○なめろう
○アジのつみれいり味噌汁
○アジのハンバーグ
である。
アジフライはともかく、その他はどうだろう?
オッサンちにはフードプロセッサーなる料理家電は無いので手動でアジを細かくしなければならない。
しかも4レシピの内、3つ分のアジをミンチにしなければならない。
釣りも料理もなんで手動なんだ!?
アジを包丁でぶっ叩きながら大いに憤るが、そもそもこのレシピに決めたのもオッサンだ。
これまた光速で料理をやっつけ、食卓に並べる。
アジバーグは下ごしらえだけで力尽きた。つみれ汁は具すら無い手抜き
一応、家族からは美味しいとの評価だったが、オッサンはもう疲れ切っていて味なんて分からなかった。
あとは片付けか…と思って全員が食べ終わるまでコタツに入っていたら、いつの間にか熟睡…
気が付くと、後片付けも終わっていた。
持つべきはありがたい家族である。
釣りも自分で消費できる程度にそこそこ釣れれば良いとは思うんだけど、釣れれば釣れるだけ釣ってしまうのは、釣り人の悪い性癖だ。
いまだ釣れるだけ釣るのは、オッサンがまだ未熟だからだろう。
円熟し老練になれば、きっとその日食べられるくらいで満足するんだろう。
そんなつつましい未来をイマジンしながら、ネットでお手軽な電動リールをチェケラするオッサンなのでした。