毎年飽きもせずにやっているミジンコ繁殖作戦。
世の中には観賞用としてミジンコを飼っている方もいるらしいが、オッサンの場合はそんなメルヒェンな理由ではなく、自宅の脇で飼っているメダカの活餌としてミジンコを飼育している。
こちとらの手間を考えれば、単にホームセンターとかで売っている普通のメダカの餌を与えていれば話は簡単だ。
メダカも普通に元気だし、赤ちゃんメダカも生まれてくるから世代交代も何の問題もない。
しかし、思うのである。
やっぱり活餌の方がメダカも活き活きしてるよね!
例えば人間だって、栄養価を満足するサプリメントだけを採取するよりも、見た目も美味そうな作りたてのディッシュの方が満足するし、食事も楽しくなるハズ。
まぁ、オッサンの場合はメダカの為を思ってではなく、単にメダカがミジンコを追っかけ回すのが見たいだけなんだけどサ!
しかし、メダカの餌としてミジンコを飼っている人も少なからずいるようで、考えることは皆同じなんだな〜とつくづく思う。
そして2022年も待ちに待ったミジンコの季節。
昨年はミジンコ繁殖池の容器(って言ってもただの発泡スチロール箱なんだけど…)を代えたりで、ミジンコ繁殖の環境が変わってしまったからなのか、思うようにミジンコが繁殖しなかった。
ミジンコを飼ったことがある方はご存知と思いますが、ミジンコってある日突然に全滅する。
昨日までは順調に繁殖していたのが、次の日には一匹も残っていないなんて事がザラにある。
全滅のキッカケは何なのか?いろいろ調べみた。
水質のPH値やら水温やら日光の加減やら…
自分なりにtrial-and-errorしてみたんだけど、ハッキリした原因は未だに謎。
なので、自然現象と割り切って諦めるようにしている。
毎年だいたい5月のGWから準備し始めて、7月の終わり頃に全滅して終わる感じ。
なので短期決戦だ!
もっと上手に環境を整えばより長期に渡って繁殖出来る気もするが、いかんせん飼育する場所が妻の実家の屋上、つまり人んちで勝手にやっているので好き勝手出来るものでもない。
屋上の端っこに、ミジンコ繁殖用の発泡スチロール箱をチョコンと置いてあるだけの恵まれた飼育環境だ。
飼育中はほぼ毎日、せっせとミジンコの餌やり&メダカ水槽に活ミジンコを放流&メダカがミジンコを追っかけ回すのを観察を繰り返す。
全滅したらその年は終了なんだけど、ちゃんと休眠卵は残っていて、次の年にはちゃんと孵化する。
年によっては孵化したミジンコがみるみる繁殖して、種ミジンコを捕ってくる必要がない時もある。
しかし、2022年は残念ながら種ミジンコが必要なようだ。
まぁ昨年はミジンコ不作だったから、休眠卵も少なかったのだろうて…
っというわけで、今年もGWにミジンコ採取に出かけた。
ミジンコを捕りに行く日には基準があって、雨が降った数日後の晴れの日。
経験上、こんな日にはミジンコがワンサと湧いている事が多かった。
いつものように秘密のミジンコ池へやってくる。
※大都会東京で苦労して見つけた貴重なミジンコ池なので、場所は秘密です。あしからず〜!
今年もやって来たミジンコ池
確か去年はミジンコがすごく少なくて、大した成果は得られなかったんだよな〜。
今年はどうかな?
恐る恐る池を覗き込むと…
ん〜〜〜?ミジンコが全然見当たらないぞ!
一匹もいない…
全くミジンコがいないんですけど…
何で?っと思ったがすぐにその原因が判明する。
さっきからオッサンが動くたびに水中で動く物体。
カダヤシだ!
「カダヤシ(蚊絶やし)」とは北米原産の外来種で、その昔、マラリア撲滅の目的で蚊を駆除するために日本に持ってきたらしい。
メダカによく似ているがメダカとは似て非なる生物で、その適応力と繁殖力の高さから、現在では東北から沖縄まで分布を広げています。
全国各地で在来種を駆逐する外来種が問題視されているけど、結局は人間が原因なんだよな〜
現在は日本古来のメダカは本当にのどかな田舎の方しかいなくて、メダカに見えるほとんどはこのカダヤシと思って間違いないと思います。
カダヤシは特定外来生物に指定されているので、採取することも飼育することも許されません。
間違って採取したカダヤシを元の場所にリリースすることも禁止されています。
このような行為をした場合は、罰金や懲役に罰せられる可能性もあります。
ちなみにメダカとカダヤシの見分け方は、ヒレや目の形状などもありますが、一番わかりやすいのは背中です。
メダカには頭から背中にかけて黒い線が入ってますが、カダヤシにはソレがありません。
そもそも都会の池とかにはまずメダカはいないので、メダカらしき生物はカダヤシと思って間違いないです。
しかし、日本に生息するミジンコもわずか4個体を起源とする北米からの帰化種らしいので、実はミジンコも外来種なんだよね〜
オッサンが苦労して見つけたミジンコのオアシスに、カダヤシの魔の手が!
実はコレを心配していました。
すぐ近くに大きな池があって、そこにはカダヤシが生息していました。
その池とミジンコのオアシスは繋がっていないので、ここにカダヤシがいるということは、人為的に運んで来られたという事になります。
「何してくれとんじゃ〜!」
恐らくは何も知らん輩が、捕まえたカダヤシをこっちに放流したんだろうな〜
こちらにはミジンコがいっぱいいたから、ソレを餌にアッという間にカダヤシが増殖したんだと思う。
かなりの数のカダヤシがオアシスを我が物顔で泳いでいた。
やってくれたよ…
犯人は悪気があってやったんじゃないだろうけど、下手人にそこはかとなく殺意が芽生えた。
もう以前のようにミジンコが戻ってくることは無いと思います。
ハァ〜……、ガッカリしながら次の作戦へ。
頼みの綱はもうひとつのミジンコ池。
こちらはもっと小さな池で、もう池というよりはただの水たまり。
まぁ、ただの水たまりだ
しばらく雨が降らないと干上がってしまうようなサイズ感なので、たとえこちらにカダヤシが放流されても、干上がってしまえば悪魔(カダヤシ)も駆逐されるハズ。
しかし、ミジンコは休眠卵として命を繋ぐので水が貯まれば復活!
素晴らしい生命の神秘である。
しばし目を凝らすが水生生物らしき姿は見当たらなかった。
さらに視力を拡大させると見えてきた。
いた!いるぞ!ミジンコ様が!!
ミジンコを確認したので、さっそく捕獲開始。
使うのはいつものようにペットボトルのセット。
500mlを切ってコップにしたものと2リットルのボトル。
水をすくって入れるだけだからね…
ミジンコが濃そうな部分に狙いをすませてワンストローク。
ちょっと少ないが、しっかりミジンコが入っている。
まぁ捕れないよりはマシだわな
何度も打つべし!打つべし!で2リットルボトルをいっぱいにするが、恐らくは数100匹といったところ…
以前はひとすくいでコレくらいは捕れたのにな〜
とりあえずは任務取完了!
丁寧に持ち帰り、さっそくミジンコ繁殖の発泡スチロール箱に入れようと思ったら、底に藻みたいなのが大量に沈んでいる。
う〜ん、ミジンコが藻に引っ掛かって溺れるかもしれないから、一応掃除しておくか…
けっこう溜まっている
ず〜っと放ったらかしだったからだろうけど、いくら取ってもキレイになりそうもないので途中で諦めた。
んで、ミジンコ投入。
2つに分かれているので同じくらいの分量にて。
今年は爆殖してくれよ〜
ついに始まったミジンコ繁殖。
今年はどうなるやら…
増えてくれればいいんだけど…
数日後、餌やりを開始する。
今年も片方はドライイーストで、もう片方は「ムックリワーク」にて比較実験。
『ムックリワーク』とはミジンコ繁殖促進飼料で、ミジンコ業者も使ってるシロモノ。
昨年使ってみたんだけど、昨年はドライイーストもムックリも関係なしに全然ダメだったから、今年こそ真価が問われる。
果たしてどちらに軍配が上がるのか?
オッサンはせっかちなので、グリーンウォーターも投入してミジンコの餌となる植物プランクトンをブースト。
濃厚なグリーンウォーターを投入
さぁ、2022年のミジンコ繁殖計画はどうなるやら…
ちなみにグリーンウォーターはオッサンちのメダカ池からすくってきたもの。
オッサンは過保護なので、市販のメダカ餌を与え過ぎたらしく、水が富栄養化で濃厚な緑色になってしまった。
グリーンウォーターは悪いものではないどころかメダカにはメリットでもあるんだけど、よくよく考えてみれば、こんな水の色だとミジンコを追いかける姿が見えないよね〜
ハテ?どうしよう…
新しくミジンコを投入してから2週間後。
温かい日も続き、夏日なんて日もあったもんで、さぞかしミジンコも増えているだろうと期待しながら覗きに行くと…
ん〜??
あまり増えてない。
全然変化なしというわけではないんだけど、こちらが期待したほどではない。
確か昨年もこんな感じで、増えてないわけじゃないんだけど、メダカに活きエサとして投入できるほどの増え方ではなかった。
なんでだろ?
少々考え込むが、ある結論に達する。
水を触ってみるとそこそこ冷たい。
ミジンコって水が温かいとアッという間に全滅する事があって、逆に冷たい水には耐えると思う。
現に真冬の寒い時、ミジンコ繁殖ケースの水面に氷が張っている状態でもミジンコが泳いでいるのを見たことがある。
とは言え、水温が高すぎるのはダメだが、そこそこ暖かくないと増えないのも確かである。
それが一体何℃なのかは知らんが、ミジンコを採取する秘密の池では水たまりのような浅い場所にいるんだから、けっこう温かい温度なんだと思う。
ミジンコがいるのは浅い水中で、晴れの日にミジンコが活発に泳ぎ回っているから、増えない原因は水温が関係してるんだと思う。
昨年立ち上げたミジンコ繁殖の発泡スチロール箱はかなりデカくて、当初は「これだけ大きければ水温が安定するから期待できるな!」と思ってたんだけど、実はこのサイズがネックなのでは?
つまり低い水温で安定しているので、ミジンコが期待したように増えないのでは?
という仮説のもと、行動開始!
やることはごく単純で、発泡スチロール箱に横穴を開けて水位を低くしてみる。
つまり、水を少なくすることによって水温を上げようという作戦である。
ケースに穴を開けてしまうので失敗したら箱ごとオジャンで、背水の陣の覚悟である。
しかしハテ?どれくらいの水位にすれば良いのか?10秒ほど考えるが、んなもん考えても分からんので実践あるのみ!
中途半端にやってもしょうがないので、今現在の水位よりも上から1/3アタリに横穴をズボッ!っと開ける。
ジョボ〜っと水が排出され、その勢いでついでにミジンコ達も外出してゆく…
もったいない気もするが、彼らを救出する手立てはない。
大きな事柄を達成するには、ある程度の犠牲はつきものなのである。
水が少なくなり、残りの水深は15cmほどになった。
思ったよりも減ったんだけど大丈夫なのかな?っと少々不安になるが、やっちまったもんはしょうがない。
けっこう減ったけどいいのかな?
適当にミジンコにエサをあげてその場を後にする。
数日後、様子を見てみると…
お〜〜!ミジンコが増えてるぞ!!
水深が浅くなったからそう見えているだけなのかな?
いや違う!絶対に増えてる!
ミジンコが密集して水中にいるので、コレならメダカのエサとしてあげられるぞ!
ミジンコが密になって水中に漂っている
ペットボトルのコップですくってみると、100匹は入ってくる。
この数ならメダカ様も喜ぶだろう
さっそくメダカに与えてみるが問題発生!
まぁ分かっちゃいたけど、メダカ池の水が見事なグリーンウォーターなので、ミジンコを追いかけるメダカが見れない。
フッ…、一難去ってまた一難。
こんなもんだよ人生は。
濃厚なグリーンウォーターだし!
考えようによっては、グリーンウォーターはメダカの餌にもなるし、赤ちゃんメダカのカモフラージュにもなるし、それ自体がミジンコの餌にもなる。
良いこと尽くめではあるんだけど、一番の目的であるミジンコを追いかけるメダカ鑑賞が果たせないのである。
今回ミジンコの件は水位の調整にて解決したと言っても過言ではないが、次の問題はグリーンウォーターを解決しなければならない。
しかしコッチのほうが厄介である。
過去に何度もチャレンジしてみた。
(まぁ、毎年のようにメダカのエサをやり過ぎてグリーンウォーター化してるんだけどサ!)
しかし、人為的に解決したことがない。
過去に解決した時は、台風時のゲリラ豪雨でメダカ池の水がほぼ全て入れ替わった時。
もう一つが、メダカの季節が終わってエサをあげなくなった冬の時。
とにかく自然に任せるしかないので、気長に待ちましょうや!
っというわけで、ミジンコの増加には水温が大きく関係していると思います。
ここで具体的に何℃です!と言いい切れれば説得力もあるのですが、水温なんて計ってないし、恐らくは全体の水量やどんな環境でミジンコを飼っているか?によっても違うんだろうから何とも言えんわな。
水の量を少なくするというのは、逆に言えば水温が上がりやすいということでして…
真夏の時期になればかなりのリスクはあるのですが、例え一時的にせよ、ミジンコを増やすために飼ってるんだから、実行してみる価値はあると思います。
さて、2022年のミジンコ爆増計画はどこまで成功するのやら…