どんな釣りモノにも共通しますが、数釣る人は文句なく手返しが早い。
数多く釣るから手返しが早くなるのか、手返しが早いから数が釣れるのか定かではないが、”慣れ”という要素もあるのだろうけども努力の賜物であると思う。
いずれにせよ手返しが早いということは、仕掛けを水中に入れている時間が長い訳で、それだけで魚を釣りあげる確率も上がる。
とにかく仕掛けを水中に入れておかないと百万年かかっても釣れるわけがないのだ。いや、百万年あれば水中から魚が飛び出してきてくれるかもしれない。
まぁそんな屁理屈はど〜でもいい。
よく釣り場で見かけるのだが、ハゼが釣れてからエサを付けて仕掛けを再び入れるまでの動作を「お前はミツユビナマケモノか!?」と突っ込みたくなるくらいチンタラやっている人がいる。
そのようなヤツの行動は大体こんな塩梅だ。
釣り上げたハゼはゴックンとハリを飲み込んでいて、ハリ外しを使ってもなかなか外れず。
やっとこさ外してビクに入れようとしたらハゼが脱走。必死につかまえてビクに入れたのもつかの間、エサのイソメに指を噛まれて悪態をつく。
エサを付けようにも、イソメが右に左に激しくウィービングをするもんだからまともにハリに刺せやしない。
もう面倒くさくなって刺し通しじゃなくてチョン掛けにしたが、仕掛けを投げた途端にイソメがハリからポロリ・・・
今度は反省して、刺し通しにしていざ投げようとしたらふと思い出す。
”今朝、家で蚊に刺されて蚊取り線香を焚いたんだけど、火を消してないかもだから・・・”とスマホを取り出して家に電話する。
くだらん!燃えてしまえそんな家。
こんな所業を見せつけられるこっちがイライラする。
例えばハゼを時速50匹釣る人がいるとする。
これくらい釣るなら間違ったハゼ釣りはしていないだろう。
片や、時速80匹釣る人がいる。
この二人の釣り師の一番大きな違いは”手返し”にあると思われる。
これほど釣り上げる状況なら、仕掛けを落とせばすぐにアタリがあるほどハゼが濃いはずだ。
仕掛けを落としてハゼを掛けるまでの時間は、この二人にさほどの違いはないだろう。
違いはハゼを掛けてからだ。
ハリ掛かりしたハゼを抜き上げてキャッチ→ハリを外し→ハゼをビクに入れ→エサをつけて仕掛けを落とす。
この一連の動作の時間差が大きな釣果の違いになってくる。
もちろん仕掛けの違いというのも、手返し早さの重要な要素となってくる。
ハリはスレバリのほうがすぐに外せるし、竿も短いほうが扱いやすいだろう。
エサも一回一回つけ替えるよりは、たとえ数回でも同じエサを使えるほうがいいだろう。※こう考えるとアオイソメに軍配が上がるかもしれないが、オッサン個人的にはベビーホタテの方がエサ付けが早い分釣れると思うんだけどな〜
だもんで、オッサンはスレバリを使っているし、2.0mの軽い竿を愛用している。
もちろん、エサはボイルしたベビーホタテだ。
ただ仕掛けは手返しに関しては補助的な要素で、あくまでも手順の正確さ・素早さがメインテーマになる。
偉そうにぶってはいるが、オッサンは時速100匹もいかない程度なんだけれども、ある人に手返しについて聞かれたことがあって、今まで無意識にやっていた手順を改めて確認してみようと思った次第です。
コレが正しいのかどうかは分からないのだけれども、より効率的な手順を目指す意味で現状の把握は必要だと思いここにまとめておきます。
前提として、ハゼがハリ掛かりして抜きあげてからの手順になります。
オッサンは右手に竿を持つので左で持つ方は逆手でイメージしてください。
竿尻を手のひらで包み込むようにします
人差し指から小指までの4本で”軽く”握ります
親指を”軽く”添えます
ちなみにすぐ近くにエサを落としたいときは、このように握ります。(ペンシルグリップってやつですね)
すぐ足元に良型ハゼがいたりするときにやったりします
いつものように前置きが長くなりましたので、本題の手返しの手順にまいります。
あがってきたハゼを左手でキャッチします。この時、一発でハゼからハリを外しやすい場所でキャッチするのがポイントです。
当然ながら自宅内にハゼはいないので、子どもが作った紙のアジで代用
右手の人差し指と親指でハリを摘んでハゼからハリを外します。しつこいようですが、スレバリならどんな角度でもス〜ッとハリが外せる。
時間かかる人はここで手こずってるハズ
ハリを外したら摘んだハリはそのままで左手はハゼをビクに入れる。(オッサンはビクに入れた後に左手でカウンターボタンをポチっとな!)
ここでハゼをしっかり握ってないとピュっ!てハゼが逃走する。今まで何十匹逃げられたことか・・・
左手でエサを摘んで、右手で適量のエサを一発で付ける。イソメの場合は”一発で付ける”のは出来ないけれど、ホタテなら出来まっせ!
エサのホタテは冷凍庫で眠っているので、ティッシュの切れ端で代用
実際に釣り場では、ホタテ貝柱の塊を左手で摘んで、右手でハリをホタテに引っ掛ける感じでエサ付けしてます。
ティッシュだとエサ付けのイメージが伝わらないですね
そのままハリをリリースして仕掛けをハゼポイントに落とします。いちいち竿を振ったりしないで、リリースした時の勢いのままポイントへGO!です。
この動作がスムーズにできるようになると玄人に見える
手順を見てお気づきになると思いますが、ポイントは右手は竿を握り直さない事です。
人差し指と親指でハリを摘むくらいで、ず〜っと同じ握り方のままです。
忙しく動いているのは左手の方で、右手は竿の上げ下げ専用といった役割分担になってます。
もう一つのポイントは仕掛けの長さです。
仕掛けの長さは竿と同じにしていますが、コレよりも短いと竿を握ったままハリが摘めない。
逆に、長いとハリをリリースした時にガクン!と仕掛けが落ちたショックでエサが落ちたり、狙ったポイントに一発で仕掛けを落とせなかったりします。
なので、仕掛けの長さはcm単位でこだわってください。
あくまでハリの位置が基準になります。大体の仕掛けはハリが一番下に来ると思いますが・・・
竿を曲げないくらいのテンションで道糸をピンと張って長さを調節してください
一つの目安として、ハゼをキャッチしてからリリースするまでの一連の動作を5秒以内にできるようになればバッチリです。
手返しの早さとはつまり、いかに無駄な動作を削るか?ということに尽きます。
ホンのちょっとした動作が積もり積もって大きな差になることもあります。
でもまぁ、そこまで血走ってやることもない気もしますが・・・
オッサンの理想はハゼに触らずにハリを外すことで、カツオの一本釣りみたいに出来ないものか?
何回か試してみたけれど、全然出来なかった。
カツオの一本釣りみたいにポンポン釣ってたら目立つだろうなぁ〜
でもそれって”釣り”じゃなくて”漁”だよね。