オッサンのハゼ釣りはウキを使わない「ミャク釣り」である。
ハゼ釣りをしながら周りを見渡すと、玉ウキとかシモリウキとかウキ釣りをしている人が多い。
片や、オッサン御用達のミャク釣りは少数派である。
だもんで、ミャク釣り仕掛けの釣り人を見かけると「お〜同志よ!」という仲間意識が芽生える。
しかしよくよく考えてみれば、様々な釣りモノではミャク釣りが大部分を占めるのではないだろうか?
沖釣り(船釣り)とか渓流釣りとかでも、ウキを使わない(使えない・使う必要のない)シチュエーションの方が圧倒的に多い。
竿先のピクピク!という挙動と手元に伝わってくる魚信でアタリを捉えるミャク釣り。
大型魚なら派手にアタってくるが、ハゼとなるとその魚信は繊細でともすると気づかない事もあるほどだ。
オッサンがよく”モァ〜ン系のアタリ”と表現している類のアタリは、竿先に出ない上”コツ!”という明確な振動でもない。
いつもながらこのアタリを言葉で表現することが出来ないんだけど、あえて表現すればやっぱり「モァ〜ンとした気配」なのだ。
オッサンはウキ釣りをほとんどやらないから言い切れないんだれど、多分、恐らく、絶対にウキには出ないアタリなんだと思う。
この場でどれだけ明確でないアタリについて説明しても、実際に体験したことがない方にはツチノコや幽霊といったミステリー系の話と一緒で「ふ〜ん、そ〜なんだぁ・・・」程度の信憑性のない浮世話にしかならない。
オッサンが「信じてちょんまげ!」といくら力説しようが、聞いてる本人は心の中で”胡散臭せぇなぁ〜”と疑心暗鬼1000%。
これではオッサンも自分自身が不憫なので、どうしたらアタリが分かりやすくなるのか?を考えてみた。
考えるにあたり、手元に伝わる振動とかで話を進めても目に見えないものはダメだ!
人は目に見えないものは信用しない。
ハテ?どうしたら小さなアタリが見えるようになるのか?
そもそも釣りに使うウキはアタリを見える化したものだから、やはりウキの原理を活用するべきか?
釣りに使うウキも釣りモノや状況によって殴りたくなるくらいの種類がある。
変わり種ではプロペラがついている回転ウキなる商品もあり、タナゴやテナガエビなどの小物釣り用に販売されているが、実際に製作者の話を聞く限り「ハゼ釣りはやらないからよく分からん!」とてんで頼りにならないのである。
水は常に動いているので、流れや波で微細なアタリは分からないと思う。
なのでウキの方向で考えるのは却下!
ここはやはり竿先の挙動の方向で考えるべきだろう。
繊細なアタリをとるには繊細な竿先が必須である。
となると、最近の高級竿に装着されているメタルトップが良いのかな?
高級竿なんて触ったこともないから全然イメージが湧かないが、どうやらチタン合金とかの材料が使われているらしい。
その他、天秤にも形状記憶合金が使われていたいたりと、釣具も何かと合金ブームである。
オッサンは”合金”と言えば、神童と呼ばれたり呼ばれなかったりした幼少期に流行った「超合金ロボット」なるおもちゃしか思い浮かばない。
しかし超合金ロボ。今考えてみればかなり安っぽい材料だった気がするが、当時は超合金という響きが未来感を醸し出していて輝いていたもんだ。
んで合金だが、そんな最先端な材料がどこかに落ちていないかと会社中を物色したが、ステンレス針金やらピアノ線やらのしょうもない材料しか見つからない。
天秤に使う形状記憶合金の丸線材をネットで調べてみたが、結構なお値段なので問題外・・・
超合金作戦は企画倒れらしい。
さて、どうしたもんかと悶々としていたある日。
ちょうど良さそうな材料を見つけた!しかも自宅で。
今回の材料はコレ!
これは直径1mmのステンレスワイヤーロープです。
テナガエビ釣りに使う天秤を自作した時に余った材料だ。
ん?コレって使えるんじゃないの〜?
オッサンの脳ミソがカラカラと回転しだす。
このゆるめの反発、この細さにもかかわらず人間を持ち上げられる強度、おまけにステンレスだからサビにも強い。
いける!!ハズだ・・・
コレを竿先に装着すればハゼの繊細なアタリを見れるようになるのでは・・・
問題はアタリの振動がワイヤーロープに吸収されてしまうかもしれないが、今回のテーマはアタリの見える化なので、この際手元への魚信は目をつぶろう。
さて、ワイヤーロープを使ってみるのはいいが、どれくらいの長さで付ければ良いものか?
長過ぎるとアワセが遅れるし、短いとアタリが鈍くなりそうだ。
ちょうどよい頃合いは一体どれくらいなのだろう?
さらに取り付ける竿によっても違いそうだし・・・
という訳で実釣して実験を行う。
まず使う竿はオッサン所有の「渓流1.8m」に決定。
この竿は硬調なので、ワイヤーロープを付けてもその硬さゆえアワセが決まる気がする。
何よりもお安いのでお気楽に実験の生贄に捧げられる。
次はワイヤーロープだが、目安としてどれくらいの長さなんだろう?
適当に指でボヨンボヨン!と反発をみて長さの目安を確認すると、5cm〜10cmの間くらいが良さそうだ。
っという訳で、ワイヤーロープは竿に固定する際のテープの巻代を考慮に入れて15cmでカットする。
道糸を付けるために先端にリリアンをくっつけてみた。
もうリリアン付けも手慣れたもんだ
ワイヤーロープにマジックで5cm・7.5cm・10cmのところに目印を付けた。
竿への固定はテープで巻き付けて、各長さ毎に巻き直す予定。
実験用だから見た目がカッコ悪いのは目をつぶろう
こんな感じに簡単にプニョん!って曲がるくらい柔軟性がある。
これは10cmで固定してるんだけど、ちょっと長すぎな気がする
さぁ、後は実験してみないと分からないので実釣が待ち遠しい。
話は一気にワープして、ワイヤーロープの適度な長さは7.5cmという実験結果になりました。実験時のレポートはこちらからどうぞ!
お次は本格的に竿にワイヤーロープを取り付けます。
まずは生贄の「渓流」のリリアンを取り外す。
竿先は竿の命だからカットしたくないので丁寧にリリアンを外すことにする。
しかし、カッターを軽く入れたらすぐにポロ!っと外れた。
こんなに簡単に外れていいの?って言うくらいに簡単に取れた。
経年変化ゆえなのか?はてまた安竿だからか?
とても簡単手軽にキレイに取れた
次はワイヤーロープを竿先につなぐのですが、どうやって?っと10秒ほど長考した結果こうなりました。
1cmほどワイヤーロープをほどいた
次に竿先をほどいた内部に突っ込む。
なるべく丁寧に細かくほどけば、しっかりと取り付けられるハズ
ほどいた部分にキツめに糸を巻く。
竿の色に合わせて黒色の糸で巻いてみた
キツめに一往復巻いた。
丈夫で太い糸を使ったから結構太った
瞬間接着剤で固定したら完成。
瞬間接着剤を2度塗りしてしっかりとね!
さて、オッサンがハゼ釣り終了時期に何でこんなアホな事をやったのか?
実はこのメタルリリアン(案)は夏ハゼ用ではなくて、ハゼの穴釣り用に開発(?)したのです。
穴釣りのターゲットは15cm以上の大型サイズのマハゼになります。
穴釣りを経験した方ならイメージできると思いますが、大型ハゼに限ってアタリが小さいのです。
15cm以下のハゼはクンクン!ってハッキリと引っ張るのですが、大型はパク!とエサをくわえてジ〜っとしてるもんだからアタリなんて僅かだ。
その僅かなアタリをとるために、このメタルリリアンを試してみようというわけです。
今季の穴釣りでメタルリリアンは威力を発揮するのか!?乞うご期待!って程でもないけどね〜
ちなみにいつものように「メタルリリアン」をググってみたら、検索結果に工芸のリリアン編みのサイトがずら〜っと表示された。
オッサン的には「ヘビィメタル」とか「メタルギア」とかのハード系のイメージだったんだけど、思いがけずメルヒェンなネーミングだったらしい。
まぁハゼ釣りもフィッシングと言うよりは、のほほ〜んとした”釣り”なのでメルヒェン臭漂うのかも知れない。